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「な、何があったんですか?」
駆け寄って来た颯月が不安そうに小春の顔を覗き込む。
「家が……」
「家が?」
「家が燃えました…」
「えええっ!?」
驚きのあまり颯月の声がひっくり返る。
「そ、それでこれからどうするんですか?ご両親はたしかニューヨークですよね?行くあてはあるんですか?」
その質問に小春はもはや紫色になりかけている顔をゆっくりと横に振る。
「…野宿でもします」
その様子をじっと見つめる颯月は少しの間考え込むと、意を決して言った。
「じゃあ、うちに来なさい。物騒な世の中なのに女の子を野宿なんかさせられません」
「えぇ!?」
予想外の言葉に、小春はポカーンと颯月を見上げる。
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