静かなる雨夜

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「アンタ、色恋に疎いだろ?」 「色恋など…っ破廉恥でござる…!///」 「ah…pure boyか…」 某に南蛮語は解らぬ。 「じゃあ、アンタの事が好きって奴がいても気付かねぇ訳か…」 「…申し訳御座らぬ…」 「何で謝んだよ…」 振られたみてぇで余計shockじゃねぇか…と、彼は呟く。 某はそれを聞き逃さなかった。 …今、何と…? 「伊達殿は……某の事を…」 「さて、俺先に湯浴みしてくるわ。」 某の言葉を遮り、彼は立ち上って部屋から出て行った。 …政宗殿が… 体が熱い…動悸がする…某は… 「…政宗殿…」 徐に彼が腰掛けていた枠に手を触れる。 それから随分の時が流れていたのか、彼が戻ってきた事に気が付かなかった。 「…煽らせるなよ…」 「ぃ…っ?!//////」 不覚にも耳元で囁かれ、思わず奇声を発してしまった。 「意外とイイ反応するじゃねぇかw」 「ふ、不意打ちなど卑怯でござるっ!」 某の負け惜しみなど聞く耳持たず、彼は愉しそうに笑う。 気が付けば、某は彼の腕の中にいた。 「だ、伊達殿…お戯れは止めて下され…」 「ah?」 「…貴殿は男で…某も男でござる…」 「当たり前だ。」 「こんなの…」 「おかしい?気持ち悪い?」 向かい合う形になり、真っ直ぐな目で見つめてくる彼を直視できない。 顔を伏せていると、頬を両手で挟まれて目と目を合わされた。 「幸村…好きだ。どんなに美しい女より、俺はアンタが好きだ。」 視線を外す事を一瞬たりとも許させない。 彼は本気だ。 すき… 日頃から彼の事が頭から離れず、胸が苦しくなる症状…あれをずっと某は病だと思っていた… …そうか、これが… 「某…も…」 「An?」 恋、か。 「某も…伊達殿を、ずっとお慕いしておりました…!」 「…幸村…」 一方的だと思っていた。 男同士など、有り得ぬと思いながらも やはり、自分の気持ちに嘘を吐く事はできない。 「…政宗、だ。」 「ま…政宗殿…!」 「幸村…!」 自ら彼の背中に腕を回した。 すると優しく包み込む様に抱きしめられる。 彼の体温… 彼の鼓動… 彼の匂い… 全て某を満たしてくれる様で、とても愛おしく感じた。 暫くして彼は某を再び真っ直ぐに見つめてきた。 切れ長の鋭い眼…隻眼ながらも力強く、月色の瞳は確かに某の姿を捉える。 眩しくて目を閉じると、唇に柔らかい感触。 「…ん…っ」
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