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今日のカルテを確認して、コップの横に置いた。暖房器具が近くにあるにも関わらず、部屋の寒さに耐え切れなくなった私はチェック柄のセーターを着る。
このシックな色が良く、最近のお気に入りの一つだ。セーターを来た私はそれでも寒く身体をかがんだ。
「先生はこの一年の間、すごく成長したと思いますよ。品格が出たっていうか、雰囲気が出たというか」
「それって私、老けたって事ですか?」
冗談混じりにしゃべる私に対して、道子さんは素直に答えてくれた。
「本当ですよ。私はもうこの道30年やってきましたが、今までに無いタイプの先生でした。でも年齢や能力よりも私は経験の方が大事だと思います。例え、<先生>という肩書きを持っていてもまだ20代という若い女性なんですから。もっともっといい先生になれますよ。」
それを聞いた私はおもわず、顔が赤くなり下を向いた。恥ずかしいというよりも嬉しい気持ちの方がとてつもなく大きかった。こんなに言ってくれたのは久しぶりだったからだ。
私はすかさずカフェモカを飲んだ。そして私は今、思った事を口にだした。
「ありがとうございます。道子さんにそういってくれると本当に嬉しいです。もっと仕事頑張りたくなりましたよ。」
道子さんは素直の笑顔をしてくれた。
「でも頑張りすぎて、身体壊さないで下さいね。壊したら身も蓋も無いですよ」
道子さんはそっと私の手を触れ、摩ってくれた。
そして私はまた、笑顔になった。
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