自分と弟

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15年生きて来ましたが、こんなに綺麗なレストランに来たのは初めてでした。 「お父さん。こんなところに来てお金は大丈夫なの?」 「んっ?んん…ま、まぁな…」 歯切れの悪い父に一抹の不安を覚える。 別にうちが貧乏なわけではないけれど、高級なホテルのレストランでディナーできるほど裕福なわけではない。 父はしがない三流サラリーマンで、今着ているスーツだって一番良いものだが、くたびれてる感じがこの高級なレストランとは掛け離れている。 それなのにどうしてこんなレストランにいるのかと言えば、父の再婚相手と会うからだ。 父は仕事先で知り合ったとしか言わず、どんな人なのかは全く教えてくれない。 「いい加減どんな人か教えてくれない?来るところまで来たんだから」 「ん、ああ…それなんだがな…」 「祐二さん!おまたせ!」 「えっ?」 やってきた女性に私は自分の目を疑いました。
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