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「すみません、変な話して」
笑顔で立ち上がる市古。
隣に立ってもやっぱり見下ろすくらいに小さい。
俺も無駄にデカい180センチだが、市古も小さすぎる。150センチあるのだろうか。
「わたし、そろそろ帰ります。保田さんは残業ですか?」
「おう。でも今日は切り上げるわ。いい案が全く浮かばねーし」
短くなりすぎた煙草を携帯灰皿に押し込んだ。
「保田さんでもそんなことあるんですね?」
俺の言葉に驚きの表情を見せる。
「お前は俺を何だと思ってんだ。万能なサイボーグじゃねーんだぞ」
「わかってますよー。保田さんはわたしの尊敬する先輩です!」
「そりゃどーも」
嬉しい筈の言葉なのに、何故かそんなひねくれた返事しかできない。
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