第3話 strawberry candy 2

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 《おまけ・Side 孝太朗》 「いやぁ、可愛いかったなぁ」 兄、眞生と桃花ちゃんの子供が産まれた翌日。母子の見舞いに行った帰り道、眞生の車の助手席で優花(ゆうか)と名付けられた産まれたての小さな命を思い返した。 「俺達の子供なんだから、可愛いのは当然だろ」 「うわっ。すでに親バカ丸出しっ」 「ばーか。親は皆そんなもんだよ」 しかし確かに、ふにゃふにゃの赤ちゃんは、見ているだけでも愛しくなる。親戚でもそう思うのだから、親だったら尚更なのだろう。 「あの子もそのうち『パパと結婚するー』とか言うのかね」 「……さぁな」 何気なく言ったつもりだったけど、無表情を装っていた眞生の頬が僅かに緩んだのを確かに見た。 あれ、絶対喜んでるよな。 わかりやすっ。 きっと内心喜び悶えてるに違いない眞生を見て、イタズラ心が顔を出した。 「でもすぐに彼氏とか連れてくるんだろね、イケメンの」 「……お前、馬鹿か」 「は?」 「そんなもの、認めるわけねぇだろ」 「……」 ……子供の力ってすごいな。 眞生でさえ子煩悩に変身させるのか。 まだまだ先のことなのにも関わらず、不機嫌全開にハンドルを握る眞生に苦笑して窓の外に目を向けた。 ――優花。 君はその小さな手で何を掴むのだろう。 願わくば君の両親のような幸せが、その両手いっぱいに訪れますように 。      おまけ Side 孝太朗          終
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