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希望に満ち溢れた目をしていた市古も、さすがに引いたみたいで、眉をハの字に下げている。
それが正しい反応だと俺も思う。
宮前も普通にしていればモテるだろうに、獲物を狙う目がそれを台無しにしているってことに本人は気づいてんのかどうなのか。
「いるかもしんねーし、いないかもしんねー。んじゃ、社内案内するぞ」
「あ、はい!」
適当に返事をして立ち上がると、市古と宮前がついてくる。
あっちは人事部、こっちは営業部、とさほど大きくない社内を案内すれば、市古はメモを取りながら頷いている。
つか、メモしなきゃ覚えらんねーのか?
大丈夫か、こいつ……。
宮前は宮前で、俺が指差す方向とは全然違う場所を見てやがる。いい男とやらを探している野獣の目だ。
こいつら仕事できんのか?
今年の新人、すっげーめんどくせーんだけど。
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