最終話 20回目のクリスマスイブ

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(そして、伸治は、桜の左手の薬指に、そーっと、指輪を、はめた。 (山) ほら、誓いの、キッスを、しろよ。 (桜) え~、恥ずかしいよ。 (絵里奈) 早く、キッス、キッス、キッス、キッス。 (そして、伸治の背中が、丸まり、桜は、爪先立ちした。) (桜は、顔を、真っ赤にして、指輪を、見ていた。) (山) よし、皆乾杯だ~。 ほら伸治も、桜も、 持って。 逸れでは、伸治と桜の、前途を敷くして、乾杯~。 (伸治) ありがとう、ありがとう。 (山) 良かったな、20年か、桜、良く我慢したな、本当におめでとう。 (桜) ありがとう、山ちゃん。 (絵里奈) 伸治さん、20年は、長いよね、思いだすな~、桜がね、家を、出て、会社の寮に、一人で、移り住んだときに、後で知ったことだけど、その晩に、伸治さんの写真と伸治さんから貰った、ネックレスを、握り締めて、一晩中、泣いてね。 そんな辛い 昔も逢たって、知らなかったでしょう。 すごく、淋しい、思いを、してきたんだから、絶対に、幸福にしてあげてね。 でも、桜だから出来たのよね。 私には、真似できない。 桜って強いのね。
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