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「ユキちゃんの趣味は?」
「お菓子作り。結構うまいんですよ?ヨシさんの趣味は?」
「んー……………ケータイいじり?」
「地味ー」
「うっさいわ。あ、じゃあ次遊ぶ時お菓子作ってきてよ」
「はい、いいですよ」
「ところでユキチャン、君、ちゃんと目見て話せるやん」
「あ」
あ…そう言えば。
あんなに恥ずかしかったのに、普通に話せてる。
「だいぶ緊張とけたのかな?よかった」
ヨシさんが優しく微笑む。
つられて私も笑う。
「俺ね、ホントにこうやって会ったことないのよ。だからすっげー怖かった。顔も知らないし…メールしかしなかったやん?」
見た目はかっこよくって、ノリもいいし、ヨシさんから
『会いたい』
って言ってきたから…てっきり遊んでる人だと思ったのに。
人は見た目で判断しちゃダメなんだなぁ。
「ユキちゃんがめっちゃギャルだったり、変なコだったら帰ろうと思ってたし」
それは…私も同じ。
帰らないにしろ、テキトーに遊んで終わってたかも。
「だから、今日は本当にありがとう」
言い終えると、手を差し出してきた。
だから笑顔で握手をする。
こんなの初めてだ。
会って少し話しただけで感謝されて…
ヨシさん、本当にいい人なんだ。
私はますますヨシさんに惹かれていく。
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