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私たちの会話は尽きなかった。
「高校の時さー、山田て男の先生がいて…」
「それって日本史の?」
「え、ユキちゃんも知ってんだ!そのあだ名が…」
「「安西先生」」
「あはは、ユキちゃんたちもそのあだ名知ってんだ」
「やー…だってそっくりだし」
同じ高校出身だから、盛り上がる。
「だからー、俺はチャラくないって!なんで信じないのかね」
「えー…………見た目?」
「だったらユキちゃんだってチャラいんじゃないの?」
「はぁ?意味わかんないしー」
なんだか話がつきなくて、結局車の中で1時間以上語り合った。
テンポがいいというのかノリが合うというのか…ヨシさんとはとても話しやすかった。
「それでね」
「ちょ、待って」
ヨシさんは私の言葉を遮ると、私の口元に触れた。
突然の出来事に後ろに退いた。
「あ、ゴメンね。髪の毛食べてたからさ」
そう言って、「こっちだよ」と指さした。
「あ、ありがとう」
口に入ってた髪の毛を取り出す。
急に恥ずかしくなって俯いた。
ヨシさんが触れ、ドキドキした。
なんだか意識してしまう。
そして、触れた箇所が少し熱い。
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