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「…ゴメン。だからこっち向いて」
声のトーンが変わった。
本当に反省しているような…。
さすがにかわいそうなので、少し振り返る。
「怒った?」
「…怒ってないよ。だだ…」
徐々に小声になる。
「何?」
「……………恥ずかしかったの」
またそっぽを向く。
「ユキ、かわいい」
そして…
ヨシさんは、私を抱きしめた。
「ちょっ、やだ」
私は腕を払おうとするけど、ヨシさんの力に勝てない。
肩に乗る頭がとても近く、ほんのに香る香水に気付く。
「あー…マジごめん。勝てなかったわ」
とヨシさんは小さく囁く。
「…何に?」
「欲望?」
さらに強く抱きしめられて、私はもう沸騰寸前。
熱い。
きっと、私の鼓動はヨシさんに届いてる。
だって、
私の鼓動とは違う速さでヨシさんの鼓動が聞こえてたから。
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