63人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらく互いに何も言わないまま、時が過ぎた。
私はヨシさんの温もりが心地好くて、胸の鼓動も落ち着きつつあった。
それにしても、ヨシさんはどんな顔をしてるのだろう。
同じように赤い顔をしてるのだろうか?
私はヨシさんから少し体を離そうとすると、
「ユキ、顔見たら怒るからね」
そしてまた、ぎゅーっと抱きしめられる。
私の考えはお見通しだったみたい。
…ん?
ってことは、ヨシさんも"私と同じ"ってことか。
と思ったら、なんか嬉しくておかしくて、笑った。
それにつられ、ヨシさんも笑う。
そして、ヨシさんは体を離す。
もうちゃんと顔が見れる。
お互い、少し照れた笑顔。
「ユキ」
と名前を呼ぶと…
「え」
触れるか触れないかのキスをした。
「えっえぇ!?え…ちょ、え!?!?」
私はバカみたいに大袈裟な反応をする。
ヨシさんはそんな私を見て笑う。
「どっか行こっか」
そして、私の頭をくしゃっと撫でた。
最初のコメントを投稿しよう!