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私たちは前の席に戻り、車を走らせた。
「どっか行こうとは言ったものの、どこ行く?」
「ヨシさんが決めていいですよ?私、優柔不断だし」
ホントは何も考えてないんだけどね。
「はぁ…何も考えてないのはわかってますよ」
な、なんか…さっきから私の頭の中まるわかり!?
私がチラっとヨシさんを見ると、ニヤっと笑って頭を撫でた。
「あ、じゃあ本当に行きたいとこ行っていい?」
「はい。どこですか?」
「秘密。後悔しても知らないからね」
不敵な笑みを浮かべるヨシさん。
少しスピードが増して、秘密の場所へと向かう。
ヨシさんは嬉しそうに鼻歌を歌う。
私は何が待っているのか、期待と不安が混じっていた。
「…怖い?」
「…少し」
「ふうん。本当に怖かったらちゃんと言って?ユキが嫌がることはしたくないし」
優しく、私の頭を撫でた。
「ところでさ、ユキはいつになったら呼び捨てにしてくれるの?」
「あー…いつでしょう」
私がユキって呼び捨てにされてるの流してたのに…
「ま、でもすぐヨシって呼ばせるけどね」
楽しそうに話すヨシさん。だけど、反対に私はこれから何をするのか気になってしょうがなかった。
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