つなげない手

はじまり

いつの間にかお昼になって、私たちは食堂へ向かう。
ナツコとミキとカナエの４人で。

ミキとカナエは入学式で隣りの席に座り知り合った。
二人とも隣りのクラスだけど遊んだり、ご飯食べたりと仲良し。
けれど、出会い系を利用してるのは知らない。

４人がけのテーブルにつき、いつものようにガールズトーク。
話題はやっぱり恋話が多い。

｢カナエはさーあの人とどうなったの？｣

｢気になるぅ｣

｢え？や…あの、付き合うことになりました｣

｢おぉ！よかったじゃーん｣

４人の中でカナエだけが彼氏持ち…羨ましい。
私は２年間彼氏がいないからちょっと切ない。
片想いばっかは疲れるよ…。

オムライスを食べながら、先程から続いてるヨシｻﾝとのメールに返事を送った。

｢てかユキはさっきからメールばっかしてぇー。男？｣

幸せそうなカナエが肩をつつく。

｢ただの友達ですよー｣

ケータイを閉じて、食事を再開する。
なぜか心配そうに見つめるナツコに気付いたが、気に留めなかった。