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「あぁ~~~、数学の鬼山田め~」
打ちひしがれる今の私には悲しくなるくらい綺麗な夕焼け空に、行くあてのない恨み言を吐き出す。
今日はもっと早く帰るはずだった。
帰ってここんとこハマリにハマってる韓国ドラマを見るはずだったのに。
「…あぁ…テギョン……」
思い浮かぶのは、愛しのあの人の優しい微笑み。
親友の優亜(ゆあ)は「あの中途半端な笑顔が嫌!」と言う。
『中途半端』なんじゃなくて『優しい』の、って何回言っても彼女には通じない。まあ、好みは人それぞれだからいいんだけど。
「…はあ~~~………」
今日何度目のため息をついただろう。
後ろから声をかけられて振り返る。
「遥ちゃん。どうしたの、そんなに落ち込んで」
「ちか…あ、湯元先輩…」
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