97人が本棚に入れています
本棚に追加
春日、お前は知らないだろうな。
あのとき俺達は16才で
まだ友情と愛情の区別なんてついてなくって。
俺は毎日、隣にいたお前に、ときどき不思議な感覚を抱いていたんだ。
同い年なのに、俺よりはるかに高い背も
俺よりはるかに大きな手も
俺よりはるかに逞しい肩幅にも
突然、無性に触れたくなって
だけどこわくて触れられなかった。
今ならそれがなんなのか
答えを出すことは出来るんだけど
あのときの俺はそれが、同級生よりも大人っぽい
憧れを含んだ友情と信じて疑わなかったんだ。
最初のコメントを投稿しよう!