町の目覚め

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正月がすぎた最初の月曜日の早朝、明るい日差しが緑川町に注ぐ頃、近くの養鶏場からはたくさんのニワトリの元気な声が聞こえていた。 すると夢の世界から現実に戻された大人や子供達は布団から起き上がり、大人達は朝食の準備や通勤の準備、子供達は少し遅れて通学の準備をする姿がちらほら見られた。 そんな中、いつも騒がしい家が一軒あった。 それは町の中心にある「柳瀬病院」である。この病院は町で唯一の医療機関なので町のみんなから重宝されているところなのだ。 それにこの病院は一家全員があの医学部最難関の慶應義塾大学医学部と言う高学歴を持っていることを知らない人は緑川町では誰一人もいないくらい有名な話しだった。 そんな柳瀬病院には2人の子供がいる。 姉で今年高校受験を控えている中学3年生の奈美と妹で地元の中学校に通っている中学1年の藍だ。 太陽は昇り町のみんなは起きはじめたがまだ通学の時間まで2時間という時間があるのに奈美の部屋のみ電気がついていた。
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