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外も次第に明るくなり近くの小学校に集団登校するかわいい子供達の声が聞こえるようになったと同時に柳瀬家にも動きが見られた。
食卓には朝早くから家族の全員分の朝食と奈美と藍の学校のお弁当を作っていた母が忙しく料理を盛った皿を並べていた。
その頃、2階では?
奈美は学校に行く準備の為、早朝からしていた勉強道具を鞄に入れ、まだ夢の世界にいる藍を起こしに藍の眠るベッドに向かった。
「藍、もう学校に行く時間よ~」と言った。
「ぅーぅー眠たい」と藍がわがままを言う。
奈美は、そんなわがままな藍を叱りつけようと思ったが藍の余りにも愛しい寝顔にうっとりした。
奈美はすごく藍を羨ましがった。
なぜなら奈美はもうすぐ高校受験。特に奈美は東京で最難関な学校の特進コースに進むわけだから並大抵な努力が必要である。しかし一日全部勉強に当てれる訳ではない。
授業では受験に必要な科目の他、身体能力を深めるために保健体育や将来のことを考えた家庭科、芸術能力を深める美術や音楽など、奈美にとってはいらない科目といえばいらない科目である。
奈美はいつも「なぜこんな受験に不必要な科目を受けなければならないのだろうか?」と思っていた。
しかしよく考えると答えは簡単だ。
確かに受験にいらない科目だけど、そんな科目を放っておいたら授業の単位が不足して受験さえ受けれなくなるのだ。
なのでいつも朝早くから夜遅くまで、寝る間も惜しんで受験勉強をしている奈美にとってはとても疲労感がたまり、受験へのプレッシャーがない藍を羨ましがるのだ。
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