はじまりの、とき

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        私、このまま死ぬんだ…… そう思った まだ死にたくない そうも、思った 胸が、熱かった 何とか動く手で触れたら べとっとした感触 きっと、これは 血だ 霞む視界 噎せ返る様な薔薇の薫りの中で 最後に見えたのは 天上の欠けた月と 白金の髪をなびかせた紺碧の瞳の綺麗な人だった……  
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