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『……ああ 檀の父がな俺への当てつけに、麗と言う姫の名を 先日 檀に改めたのだ。嫌われたものだな……』
『へ~~。そんなに似てるのかい?』
『ああ(笑)』
『私には 檀だけだが、しかし、見に行ってみようかな…』
『手出しは するな!俺様が妻に迎える予定だからな』
『約束はできないけどね。』
ほろ酔いの男達。しばし、懐かしい話しに華を咲かせていた。
満開を迎えた檀の桜。闇夜に浮かび上がり、瞬く星空に包まれる。
精一杯咲き誇る姿は、短い定めであった檀姫の憂き世の姿に似て。
天に伸びる枝葉は空を仰いだ細い腕に似てしかり……
桜 舞い散る越後の夜。
儚さゆえの想いは続く…
また、巡り逢えるなら
抱きしめて離しはせぬ。
「いつまでも、御側に……」
その言葉が 二人の胸にいつまでも響いていた…
桜恋~おうれん~
完
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