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コホン……信長が咳ばらいをし、躊躇いを見せながら口を開く……
『仮にだが、檀に似た女子がこの世に もう一人いたら、お前はどうする?』
『檀に似たなんて……(笑)』
信長は フフンと意味ありげに笑った。
『いるのか?』
『いや…。しかし、越後の酒は旨いな(笑)』
『そうでございましょう(笑)』
自信ありげに兼続が笑う。
『話しをはぐらかさないでよ。檀に似たって?』
少し身を乗り出し、信長を覗き込んだ。
その謙信を一瞥する信長の含み笑い……
『ほんとは 教えんつもりだったがな、檀を愛でているとお前にも 見てもらいたくなった。』
『…?』
『…西門の国にな、檀と同じ血を引く女子がいる。檀の妹になるか…これが似ておってな。似ていないところといえば、じゃじゃ馬なところくらいだな。』
『それは 見てみたいね。早速、拝見しに行こうか(笑)…で、姫の名はなんと言うんだい?』
急に信長の口が重くなる。
『………』
『信長様?』
『やはり 惜しい…』
『今更だね(笑)』
『…檀…』
『檀?』
信長と謙信が顔を見合わせる。同じ名の似た女子………
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