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「……ん…。」
「ここ……どこ…?」
目を覚ますして体を起こすと、辺り一面…砂。
背景は暗く、満月が空に浮かんでいる。
私は身に刺さるような寒さと状況が把握できないことで、思いきりしかめっ面になっている。
「さ、寒っ…。ここって砂漠?でも、なんで砂漠…?」
とりあえず、自分の体を両手で抱き締めながら、今の状況を整理することにした。
「えっと…朝、いつもの電車に遅れて困ってるところに、たまたまもう一本電車がきて…それに乗ったら誰もいなくて、挙げ句のはてに崖から……落ちたんだよ、ね?」
落ちたはずだが、何故自分がこんなところにいるのか…。
「とにかく、誰か人を探さなきゃ。」
私がその場に立ち上がり前方を見ると、なにやらこちらに向かってくる影が見える。
もしかすると誰か歩いてきているのかもしれないと思い、そちらに駆け寄っていく。
「あのー!すいま……」
ある程度近くまで行き相手の姿を確認した瞬間、私の足は硬直した。
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