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さてその頃、同じロサンゼルスでもビジネス街の高層ビルの最上階にいた、噂のIQ180男であるジェイはというと、オフィスの壁全面にはめ込まれたガラスの前に立ち、腕を組んで考え事をしていた。
考え事の内容はもちろん――突然訪れたこの不可解な現象についてである。
「ロサンゼルスの街の機能は当然のごとくストップか……全く、突然夜が来たかと思えばそうでもないようだし、一体この不可思議な現象は何なんだ?」
腕を組みつつ軽くあごを撫でるという、考え事をする際の独特の仕草をしながらぶつぶつと呟く。
するとそんな彼の背にノックの音と同時に声がかかった。
「ジェイ、ちょっといいか」
そんな声と共に入ってきたのはシャムハープのセカンド、マイクだった。
「ああ、ちょうど良かった。メンバーに混乱はないか?」
「ないわけないだろ。みんな大騒ぎしたあげくよくわからないテンションでそのまま宴会突入だ」
「……まあ、元気ならいいか」
例の一件でグロウのチームと共闘態勢を取って以降、ちょくちょくメンバーレベルでは交流があるのか、どうも感化されているきらいがある。
悪い、とは言わないがどこかで少し締めておく必要はあるかもしれない。
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