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「それより、あんたに来客だ。時間とれるか?」
「来客? こんな時に?」
「こんな時ですいません、ジェイさん」
そう言いながらアレクがマイクの大きな身体の影から顔を覗かせると、ジェイの顔が明るくなった。
「ああ、アレクか! かまわない、入ってくれ――と」
けれどすぐにその後に続いて入った香乃斗に視線を当て、軽く首をかしげる。
「……今日は、恋人の紹介にでもきたのか?」
「は?」
告げられた言葉にアレクはきょとんとした後、隣に視線を当てて苦笑を浮かべた。
「あー……俺も最初間違えたんですけどこの子、男の子ですよ。香乃斗君っていうらしいです」
アレクが言うと、ジェイは少し目を丸くしてまじまじと香乃斗を見た。
「男の子?」
「そうそう。さっきマイクさんも間違えて驚いてました」
アレクの少し苦めの声に、ジェイは軽く目元を覆った。
アムールの国出身のマイクがどんな間違え方をしたのか、想像に難くない。
「じゃ、じゃあ俺はメンバーの監督があるからこの辺で」
マイクもジェイにつっこまれる前に、と、そそくさと部屋から出て行く。
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