第参話:Join Forces - 共同戦線 -

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「まあ、立ち話も何だし、こっちのソファででも話をしよう」  ジェイのそれに、香乃斗とアレクは革のソファのある応接スペースに移動した。 「あの……ちょっといいにくい話なんですけど……」  そこで、英語が苦手な香乃斗の代わりに、そう言って話を切り出したのは、アレクだった。 「ジェイさん、あの例のやつのこと、覚えてる?」 「例のやつ?」 「例の、口が悪くて珍妙で性格も極悪なへたれ猫ですよ」  アレクの言葉に、ジェイはむっと顔をしかめた。  脳裏に苦い数々の思い出が蘇ったからだ。 「……できれば記憶を全てDeleteして、あの時の記録も全てなかったことにしたいが残念ながら――覚えてる」 「ですよね」  一番の被害者のジェイの苦々しい言葉に、どう考えても二番目の犠牲者だったアレクはため息をついた。 「言いにくいんですけど、この突然真っ暗になった現象あるじゃないですか。あれ、例のやつのせいらしいんです」   「な……」  アレクの告げた事実に、ジェイは絶句した。
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