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がばっと飛びつくと、その“ちんまり”としたものを抱き上げる。
そして叫び声を上げた。
「うっわー! 何これ何これ!? やっぱり超ふかふか!」
珍しさと、ぎゅっ!としたくなるフォルムに大興奮の香乃斗は、天照大猫神の身体に頬ずりした。
「すっげー! やわからーい! 可愛い-!」
歓喜の声を上げながらその身体を撫でてやる。
けれど、香乃斗からしてみたら素敵な抱擁の時間も、楽しい日向ぼっこを邪魔された方からしてみたらたまったものではなかったようだ。
「はにゃせっ!」
珍妙な声を上げると、ばたばたと香乃斗の腕の中で暴れ始める。
「ちょっ、落ち着いて! ほら、怖くない……て、ナウ●カか俺は。あああ、とかノリツッコミしてる場合じゃない」
「うーっ! はーにゃーせぇぇぇぇっっっ」
よりいっそう激しく腕の中で暴れる猫らしきものをなだめようと、香乃斗は慌ててその背中をわしわしと撫でた。
けれどその撫で方がよろしくなかったらしい。
「い・い・加減に、しれ! 毛は、逆立てるにゃあああっっっ」
がりっ
怒りの奇声と共に天照大猫神の鋭い爪が香乃斗の手をひっかいた。
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