入学
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私立高校、最上高等学校前の桜並木で俺は声をかけられた。 「入学おめでとう、伸次」 そう言ったのは俺の兄の千石 伸吾。 この学校の二年だ。 「ああ…」 俺はそれだけ言うと伸吾の脇を通り抜ける。 伸吾は止めなかった。 他に話す事がないからだ。 俺達兄弟は仲が悪く、普段は口すら聞かない。 「………はぁ」 俺はため息を吐きながら 校門に向かう。
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