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その時
「少年」
急に誰かが言った。
俺はすぐに声の主を見つけた。
目の前で俺に背を向けている少女だった。
「少年、君はこの三年間、どうなると思う?」
栗色の髪を肩まで伸ばした少女は俺の返答を待たずに聞いてきた。
「……つまらなくて、くだらない三年間になると思うぜ…」
そう言って俺は少女の横を通り、校門に入ろうとした。
すると少女は俺を呼び止めるように言った。
「楽しくなるよっ」
そしてステップを踏みながら俺を追い越してから振り返った。
「私が楽しくなるって、保障するよ」
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