入学

3/4
前へ
/184ページ
次へ
その時 「少年」 急に誰かが言った。 俺はすぐに声の主を見つけた。 目の前で俺に背を向けている少女だった。 「少年、君はこの三年間、どうなると思う?」 栗色の髪を肩まで伸ばした少女は俺の返答を待たずに聞いてきた。 「……つまらなくて、くだらない三年間になると思うぜ…」 そう言って俺は少女の横を通り、校門に入ろうとした。 すると少女は俺を呼び止めるように言った。 「楽しくなるよっ」 そしてステップを踏みながら俺を追い越してから振り返った。 「私が楽しくなるって、保障するよ」
/184ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加