家康、豊臣軍へ。【齢十八】

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「はぁ…はぁ……」 これが最後の犠牲だと覚悟を決めた。 それでも、この乱戦の世には些か優しすぎる心はズタズタに引き裂かれ、眼からは涙が溢れていた。 「皆、すまん……っ」 最低限の犠牲で済んでいると言えども、戦では必ず命は幾らかは散っていく。 それが、最初から『こちら側が多くなる』と解っていても。 それが自分の身勝手な理由であり、その為の犠牲であると解っていても。 そして今、それを眼前で巻き起こる現実として受け入れ、家康は走る。 想いを、夢を、現実にする為に。  
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