家康、豊臣軍へ。【齢十八】

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少し、期待をしていた…のかもしれない。 「…懐かしい再会、といこうか。」 するりと、特に音もたてずに開かれた先。 常闇に何かが立っていた。 「じゃあ…頼むよ。『後片付け』は何時も通り周りに任せて構わないから。」 死後の対応を告げて闇に消える半兵衛。入れ換えに、月明かりに照らされた部屋に踏み込む足音。 それは、半兵衛が長年隠し、従順な『兵器』として育て上げた努力の賜物。 「…っ」 その顔が月光に照らされる。 人を蔑むような、見下したような眼。 しかし家康は知っていた。その氷のような眼の中に、暖かい炎が宿っているのを。
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