疾風迅雷

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大国は戦乱の世にあって奇跡的にイマを頑なに維持していた。それは国上葉崎行長の力と民を思う気持ちあればこそであった。 だが、そんな日々は長くは続かなかった。 明くる年の如月、事件は起こった。 葉崎行長の正室清白の方と一子麻冬が城に古くから仕える最古参の家臣たちで構成される老女衆。この中のひとり飯戸勧進守(いいどかんじんのかみ)の手によって命絶たれてしまったのである。
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