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第3話
大地からリズムの良い足音が聞こえる。走り抜けるその馬は疾風のごとく駆けていく。ただ一つの目的地を目指して。そしてその馬に乗った少年が呟いた。
「母さん……」
久遠の彼方へと続く道に、地平線が線を引いている。
まだ目的地は見えない。
ミスター・オリーブはまだ生きていた。
現在は、イタリアのヴェネチアに住んで、スニーカーの内職で金を稼ぎながら、クモについて研究していた。
「ただいま帰ったど~」
今、同棲している、ペツェゴナ・ブラックリーベルが帰って来た。
「お帰り。なあ、今日の研究結果と完成したレポートを見てくれないか?」
「どれどれ……。な、なにぃ!?人は人生の中で、八匹もクモを食べているだとッ!?」
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