解放

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「よかった。……本当によかった」  私は涙さえこぼれそうになった。  彼がこの10年生きてきたのは、今のこの瞬間のためだった。そして私はこの6年間、彼の復讐の成功をずっと願っていた。  彼はあいつの腹から刀を抜いて立ち上がり、少し首を回した。すぐに、遠くから見守る私を見つけて、優しく微笑んでくれた。私は大きく頷いてみせた。  よくやったね、あなた。  それから彼は、懐から真っ白な紙を取り出して、刀の血を綺麗に拭き取った。復讐に邪魔だろうと私は言ったのに、彼はあいつの血を自分の中に絶対入れたくないと言って聞かなかった。でも問題無かった。彼は見事にあいつを殺した。  
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