とが

SCENE4 眞奈

『……眠れない』

これは、最近ではいつものことだった。

昨夜ベッドに入ったのは、まだ日が変わる前だ。

それから悶々とした時間を、延々と過ごしている。

その理由はわからないが、裏社会に身を置く自分の心情が、少なからず影響しているのは確かだった。

　さらに映画を観たおかげで、余計に目が冴えていた。

この映画を観たあとはいつもこうだ。

心にぽっかりと穴が空いたような気分になる。

ならば観なければいいのだが、それでもついつい手を伸ばしてしまう。

何かの薬物に侵された、中毒患者のように。