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映画の内容は、到って純粋なものだった。
主人公の少女がある日きりかぶの中に落ち、そこに広がる幻想的な世界で旅をする、というものだ。
卑猥な内容ではない。
にもかかわらず、サトルは本編が始まって十分も経たぬうち、性的興奮を感じていた。
ブロンドに青い瞳、透き通るような白い肌。
西洋風の白いドレスをたなびかせるその姿は、何かの精霊、と言われても信じてしまいそうだ。
主人公の少女が、魅力的過ぎた。
サトルは少女にばかり見とれた。
完璧な少女の振る舞いが、余計に性欲を刺激する。
純粋なものほど、サトルは壊したくなる傾向にあった。
映画の内容は、ちっとも頭に入ってこなかった。
繰り返し繰り返し、少女のリアルな生活について妄想を膨らませた。
この少女だって役者であるから、現実の世界では、それなりに恋をしたり、淫らな行為を行っているはずだ、と思ったりした。
やがて収集がつかなくなり、結局一時間も観賞しないうちに、サトルはデッキの電源を落とした。
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