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「トト……私の帰るべき場所ってどこ…?」
「そりゃあ親の元に、さ」
「親……?」
ドロシーは頭の中をぐるぐると掻き回して考えた
親……
親…
現れたのは大嫌いな両親の顔だった…
その時ここに来て忘れてしまっていた自分の事をすべて思い出した…
「…あんな人……親じゃないっ…」
「ドロシー…」
「私はドロシーじゃないっ!!私はっ…私はっ…」
「いいや、君は確かにドロシーだ。君は叔母さんの血をひいているんだから」
「叔母…さん…?」
確かに私には叔母さんがいる…
叔母さんはお伽噺が大好きだった…
でもっ…
「叔母さんの血をひいているからってなんで私がっ…」
「叔母さんは、アリスの生まれ代わりなんだよ。そして君はその姪っ子」
は…?
…だから……
私はアリスの姪っ子だから…
だから……ドロシーなの?
「だからこんな話の中に引きずり込まれて……?」
「違うね、引きずり込まれたんじゃない。これは必然だ…あの時ここに来なかったとしても君はいずれはここに来る運命だった。これは……オズの魔法使いは…願いを叶えてほしいと思い続けていた君の物語…君の人生…」
私の…
「人生…?」
トトはそうだよとうなずいた
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