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「猫本よ」
「う?なにー?」
「他に行くところはあるのか」
「うーん、お母さん達を探さないといけないんだけど……。どこ行っちゃったんだろうね」
「一人で探すのか」
「えー、ちょっと大変そう。みどりん手伝って?」
「構わん。だが見つからなかったらその時はどうする」
「ふにゃー!!え、え、えんきでもないこと言っちゃダメー!!」
「しかし、もしもということがあろう。一刻探せど見つからず、一日探せど見つからず、一年経っても見つからぬときは?」
「にゅうー………。ねこ、お母さんにもう会えないの…?」
「そうではない。人間、もしものときのために策を幾重にも張り巡らせた方がよいのだ」
「……備えあれば憂いなしって言うからね」
「そこでだ。我と共に来ぬか」
「なんで?」
「そなたの親がいつまでも見つからぬ場合、寝泊まりする所も当然確保せねばならぬ。その場所を我が提供してやろうというのだ、有り難く………!」
「わぁー!お泊まりしていいの!?みどりんの家に??!」
「もちろんだ。先程から我はそれを………」
「やったーやったー、お泊まりだぁー!!ねこ、友達の家に一回もお泊まりしたことないの!だからすっごくうれしいのー!!やったー!」
「………ふっ。そうと決まれば行くぞ、我の城で暖まるがよい」
「みどりんのお家、みどりんのお家~……っは!みどりんの家にはもしかしたら緑星人がいっぱい………!」
「気になっていたのだが、緑聖人とは何なんだ?」
「みどりんみたいに緑色の人のこと!!」
「………そうか」
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