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スノウから手渡された羊皮紙見て、シアラの顔色が見る見るうちに青くなる。
シアラがリナリアと目を合わせ迷うようにこっちを伺う。
その眼は本当に言ってもいいのかと聞いているように思えて、これ以上スノウに伝えるのは問題が起こると察し、シアラに目で言わないようにと訴える。
その様子を感じたのかスノウが再び口を開く。
「シアラ、本当のことを言いなさい。でないと、リナリア様に無理やりにでも話して貰うわ」
スノウの威圧感にシアラがもう一度リナリアを伺い目を伏せると観念したように口を開く。
「恐れながらスノウ様。城の者達が噂を……」
「噂?どんな?私の耳には入ってこないわ」
迷いながらもシアラは話し始めた。
「……リナリア様の瞳の色が気持ち悪いと。それと……」
それだけ言うのが精一杯とばかりに、それより先は答えられないのか口を閉じた。
『もういいですから、お願いです。シアラを困らせないで下さい』
これ以上、自分のせいでシアラが責められるのを見たくなくて、泣きながらスノウに訴える。
その様子にスノウがため息を吐き迷いながらも頷いた。
「わかりました……これ以上は止めます。でもリナリア様そんなに気にしなくても良いのですよ?とても綺麗な瞳なのに。それに、まだ若いのですから綺麗になりますよ」
リナリアの頬に流れている涙をスノウが優しく指で、そっと拭う。
『そうでしょうか?私は、そうは思いません。でも良いのです。スノウ様が、そう言って下さるだけで幸せです』
にっこりと心配させないように弱々しく微笑む。
痛々しい笑顔にスノウは心を痛めたかのように悲しい瞳をリナリアに向けた。
そこへ、スノウの侍女が二人に近寄り時間だと伝える。
「まあ……いけない。こんな時間。夕食の時にまた会いしましょう。続きは、その時に話しましょう」
慌てたようにスノウは立ち上がる。
えっ?……私とは一緒に食事はしないって言ってたはず。
どういうことかわからず困惑しながらも、立ち上がるスノウに急いで羊皮紙に文字を綴る。
『スカイ様から一人で食べるようにと言われておりますが?』
「スカイから?何も聞いてないわ」
困惑しているスノウに侍女の一人が何かを耳打ちする。
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