~犯罪者の雨~

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「こんにちは」 バンッ ドアを激しく開ける。 「おゎっ、びっくりした」 この人の名前は 黒冷 灘。 僕の上司にあたる人だ。 昔は相棒だった…… 「お前、宿り木見つかったのか」 「はい。目の前で交通事故が起きて、その時の死体を貰いました」 今の俺の体はやり手のエリートサラリーマン。 結構、気に入ってる。 他人の体を貰ってるから 今は普通に生活出来る。 「今日の仕事は?」 「清流組の幹部を殺ってくれって頼まれた。」 「誰に?」 「清流組の他の幹部に」 「わかった。殺ってくる」 俺の仕事は犯罪を扱う仕事だ。 頼まれた仕事はなんでもやる。 それが俺の仕事だ。 「あっ、そうだ。あさってお前の命日だったよな。」 「はい。たしか…」 今日は十月八日だ。 あさってで十日。 俺の死んだ日。 「これやるよ」 ヒュ~ ベチャ。 謎の物は俺の顔にクリーンヒットした。 「何ですか?これ」 「紅白まんじゅう。お前を殺したお詫び。」 そうだ。 俺はこいつに殺された。 あの日、ここで……… 「お~い。」 「は、はい。」 「早く行けよ。怒られんぞ」 今は7時。 約束の時間は7時半。 そして、ここから事務所まで40分……… 「い、行ってきます!」 バンッ 俺は走った。 顔のまんじゅうをそのままにして。
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