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「はぁ~、疲れた…」
雨の中にずぶ濡れの男が一人。
はたから見ると痛いと思う。
「え~と、ここら辺かな」
何か辛気臭い場所だ。
長い間ここには入られない。
それ程臭い。
「なんて場所だよ。んっ?あれは…」
人影が見えた。
こんな一方通行の路地裏に人影がある。
「誰だ………?」
何か見覚えがある。
キリッとした目。
しまった体。
こいつは…………
田崎だ。
田崎は死んだはずじゃ。
死んだんだ。
田崎は…………
「田崎…」
自然と声が出る。
目から涙がこぼれ落ちる。
「田崎。田崎なんだな」
田崎は重い口を開いてしゃべった。
「どちらさん?」
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