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……やっぱりそうだったのか。
都は今まで俺の気持ちを否定はしても、拒絶した事は無かった。きっぱり拒絶すれば、流石に俺だって諦めたはずだ。……多分。
俺の事を好きだっていう可能性を考えなかったわけじゃない。でもあれだけ否定され続け、さらに違ったとなったらただの勘違い男じゃないか。だから、都が俺の気持ちに答えてくれるまで、伝え続けるつもりだった。
……でももう無理だ!
俺は都との距離を詰めた。
「俺の事が嫌いならそう言えよ。言って俺を拒絶すればいい。この手を離せばいい」
都の手を握り、その目を見つめた。戸惑いの表情。でも拒絶の言葉も無いし、手を離そうとする気配も無い。それなら俺が離す理由は何処にも無い!
「んっ!?」
俺は再び都に口付けした。口内に深く侵入し、都の舌を絡めとる。
「んっ……ふっ……」
口の端から漏れる声に欲情し、何度も何度も味わうように口付ける。
唇を離した後の都の顔は熱っぽく、瞳が潤んでいた。
その頬にそっと手を触れる。
「俺は都が好きだ。小学生の時からこの気持ちは変わってない。
都の本当の気持ちを聞かせてくれ」
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