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都の目を真っ直ぐに見つめる。
今までは恥ずかしくて、自信が無くて、真っ直ぐに見つめ続ける事が出来なかった。でももう逸らさない。
都が目を逸らそうと俯こうとしたが、それを手で押さえる。都の本心を聞き出すまで、絶対に反らさせない!
「……だよ」
どれだけ時間が経っただろう、都が細々と話し始めた。
「私、潤より5歳も年上だよ?」
「だから何?」
「顔だって綺麗じゃないし、スタイルだって良くないし……」
「俺は今の都が好きなの!」
「仕事だって、漫画家だから不規則だよ」
「俺はその編集者だろうがっ」
「それに、それに……」
「何?これ以上何かある?」
勿論何か言ってきてもぐうの音も出ないように返してやるつもりだけど。都が最後に絞りだしたのは、俺にとって拍子抜けする言葉だった。
「それに私は京子の……潤のお姉さんの友達なんだよ?自分の友達が弟と付き合ったなんて、きっと嫌だよ……」
俺の手の力が緩んだからか、都は力なくうなだれた。
……もしかして
「ずっとその事を気に掛けてたのか?」
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