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「まだ決まってないからな。仮定の話だ。で、俺達が付き合うって事が姉貴は嫌か?」
『嫌なわけないじゃない!潤の相談にのってたの私なんだから。そうか~、まだなのね?早く気持ち伝わればいいわね』
「あぁ。サンキューな」
電話を切り都を見ると、何とも言いがたいほうけた顔をしていた。思わず笑みが零れた。
「姉貴の声聞こえてただろ?つまりはそういう事。姉貴はずっと応援してたわけだから、反対するって事はあり得ないわけ。理解した?」
黙って頷く都。その後顔を真っ赤にして、目には涙を浮かべだした。
「じゃ、じゃあ私が今まで気にしてた事は……」
「……はっきり言うと、無駄だった?」
その言葉をかわきりに、都の目から大粒の涙が溢れだした。俺はというと、ただおろおろしてその光景を見るしか出来なかった。
「……っと」
「えっ?」
「私もずっと好きだった。潤の事が、好きだった。
でも私年上だし自分に自信が持てないし、潤もまだ子供だったから、その気持ちを信じきる事が出来なかった」
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