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私は、今でこそ両利きだが生れつき左利きだ。
左利きか、右利きか判別出来ない場合は子供を病院に連れて行く。
そしてちゃんと検査してもらう必要がある。
検査の結果、私は左利きという事が判った。
だが、最近の医者は右利きに直す事は進めない。
私の時もそうだった。
「左利きを直すのは、右利きを直す事と同じです。
直す直さないはこの子の自由です」
でも父親は言った。
「いや、絶対に直す」
今思うと、左利きという事も父親が私を嫌う理由のひとつだった。
（何て下らなくて馬鹿馬鹿しい）
父親は私を見る度に、右利きに直そうとしていた。
私も最初は見てもらえる事が、構ってもらえる事が嬉しかった。
だが、無理矢理生れつきを直そうとしても子供の私にはとても難しい事だ。
私は段々反抗的になり、
やる。
渋々やる。
嫌々やる。
やりたがらない。
やらない。
と、態度を変えた。
その度に父親の罵声と暴力は酷さを変えた。
何時しか、頭を撫でてくれた優しい手は。
暴力を奮う拳だけでしかなくなっていた。
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