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「御免なさい」
「許して」
「助けて」
「死にたくない」
「殺さないで」
「お願いだから」
父親の罵声は、暴力は、止まる事は無かった。
蔑み見る瞳。
暴言しか出ない口。
恐怖感の固まりの手。
父親の事を恐い、と思っていても。
嫌いにはなれなかった。
本当、何て馬鹿なんだと思うが。
その頃はまだ、父親を信じていたかったんだろう。
『血の繋がった実の子供を、愛していない訳がない』
そう、思っていたのだろう。
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