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「……他の方面でも駆逐艦や巡洋艦数隻、補給艦13隻、アウルフ・ヴァイス級戦艦3隻、量産型AF神風(シェンフー)10機、サプリライズ8機、そして紋章機が4……義勇軍の兵力は増し続けている」
「うっは…これならセイグレウムも余裕で倒せるんじゃねえか?」
広い格納庫のなかで二人の青年が話している。1人の方は歳は19で、顔立ちは美形と言っても差し支えない。
もう1人の方は若干厳つい体格をしており、少なくとも1人の青年よりかは体躯は大きい。成人男性に見られがちだが彼も19歳なのである。
そんな二人――――――夜光院鏡(きょう)と海音寺光也はいずれ義勇軍の旗艦となるアウルフ・ヴァイスの格納庫で話をしていたのだった。
「油断は禁物だよ。戦場ではそれが生死を分かつことになる」
光也の言った軽口を鏡はたしなめた。ジョークではなく本気で。
「あいよ、ごめんごめん。ところで紋章機のパイロットは見つかったのか?」
光也はさほど気にせず続ける。
「黒椿姫とランケウルスは。ファースタム・ワンはアレだから……残るはベイオリットだけだよ」
動かせる人間がいない、という理由でアウルフ・ヴァイスに入れられず、戦闘機形態(EF形態、とも言う。EFとはEmblemFighterの略)で放置されている赤色の紋章機――――――ベイオリットの事を鏡は思い出すのだった。
「早く適合者が見つかるといいんだけどね……」
その間にもアウルフ・ヴァイス(白き翼)は宇宙に向かって飛び立つための準備を着々と進めるのだった。
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