第一章

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「そうか…」 「うん。あ、さっき一人で行くって言ったけど、やっぱり楓と一緒に行くから」  柊がそういうと優那はため息混じりに分かったと了承した。 「どうせ来ると思ったよ。お前等双子はいつも一緒だかんなぁ」 「あはは~。ってな訳で学校への連絡お願いしやす」 「へぇへぇ。気ぃ付けて来いよ」 「うぃ~」  返事をすると柊は通話を切った。 「優那兄してくれるって?」 「うん。そう言ってた。いやぁ、良かった。岸田先生に直で話したくなかったんだよなぁ、俺」 「うん、確かに。そういえば、僕が行く事何か言ってた?」 「予想してたってさ。まぁ、大概一緒だもんな」 「そだね。大概一緒だもんね」  二人は納得するとクスクスと同時に笑い、駅へ急いで行った。  駅に着くといつも通学で使う電車ではなく、優那の勤務先に行く電車に乗った。 「そういや、何で柊なのかな?」 「う~ん。分かんないなぁ」  二人は電車に揺られながら呼ばれた理由を考えていた。  第一に考えられるのは柊が同じ道場に通っていたからだろう。  しかし、それならば柊より仲の良い友達がいるのに、わざわざ柊にした理由が見えてこない。
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