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「柊~起きなよ~」
「う~~ん」
「柊~、遅刻するよ~?」
「ふぁ~~。おはよう~。楓~」
「おはよう~。朝ご飯出来てるよ。着替えて顔洗いなね?」
「うぃ~~」
柊と呼ばれた少年は、ハンガーにかけていた制服に着替え、洗顔をすませるとリビングに行った。
「あれ、優兄は?」
普段は朝ご飯の時に必ずいる長兄の姿が見えず柊は双子の姉の楓に聞いた。
「優那兄なら朝早くに署に呼ばれて行ったよ?」
「珍しい~。何かあったのかな?」
「さぁ?でもまたあったらしいよ?」
「何が?」
楓は声を潜めるように小声で呟いた。
「Black Gentlman事件」
「また?」
「うん。さっきニュースで言ってた。今度は12才だって」
「これで何人目だよ。小さい子ばっかり狙って」
「今月入って三人目だって。また白いワンピを着せられて全身めった刺しだったって」
最近、巷を騒がしているBlack Gentleman事件で狙われているのは決まって小学校高学年から中1の女の子だけだった。
Black Gentlemanは白いワンピに女の子を着替えさせ、油断しているところを細長い何かで何度も刺して命を奪うらしい。
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