第一章

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 ニュースはそこまでしか報道されず、女の子達は全員が遺体になっていた。柊と楓以外の人間は知らない。二人は兄で刑事の優那からBlack Gentlemanに気を付けろと忠告されていた。  Black Gentlemanと名が分かったのはある一枚のカードからだったと優那は説明した。  そのカードには『今からリハーサルだよ。本番まで精々裏方として頑張りたまえ。警察諸君  by Black Gentlman』と銀の小型ナイフと共に被害者の女の子の胸に刺さっていたという。  その事を思い出したのか柊の表情が少し険しくなっている事に楓は気付いた。 「柊、今日は帰りは?」  柊は楓がわざと話を変えた事に気付いたが反論せず、質問に答えた。 「今日は何もなかった筈だから早く帰れると思う」 「うぃ、了解。なら一緒に帰ろうね」 「おぅ。あ、そろそろ出るか」  Black Gentlemanの事件のせいで女の子の一人歩きは危ないと言われている為、二人は一緒に帰宅するようにしている。 「うん。あっ。忘れてた。柊、優那兄が朝ご飯食べたらTELしてってさ」 「うぃ~、了解。ちょっとかけてみるわ」 「うん。じゃあ、先行ってるね」 「了解、すぐ追いかける」 「うぃ~」
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