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「な、何…で」
「分からない。その安並杏子ちゃんの死体に柊の盗撮された写真の裏にメモが残されていたんだ」
「………」
柊は返事が出来なかった。言われた事を理解しようと必死に考えをめぐらしていた。
「今日は学校を休んで署の方に来てくれ。…分かったか?」
「…分かった」
「一人で来れるか?」
「うん…。多分、大丈夫」
「…そうか。なら待ってるからな」
そういうと優那は電話を切ってしまった。
柊は放心状態の中で、携帯をまた胸ポケットにしまうと鞄を持って家の鍵を閉め、下に降りて行った。エントランスには先に降りていた楓が待っていた。
「遅かったね。…何かあった?」
楓は降りて来た弟の雰囲気が違う事に不安を感じ、俯いていた顔を覗き込んだ。
「……同じ道場に通う安並が、Black Gentlmanに、殺されたから話が、聞きたいって…」
「う、嘘…。ホントに?」
その言葉に楓もショックを受けた。楓は空手をしていないが何度か遊びに行った事があり、その時に杏子とも顔を合わせた事があった。
「うん…。だから今日は学校を休んで署に来てくれないかって」
「そっか、分かった。一緒に行こうか?」
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